つばさの軌跡

京大卒。新卒の2018年春、鳥取県智頭町に移住し、社員2名の林業会社に就職。林業家を志す。働くこと、食べること、寝ること、話すこと、住むこと...。自分の人生の時間を分けることなく、暮らしの所作、その一つ一つに丁寧に向き合って、精一杯生き抜くことが目標。

「暮らし」に向き合う一年を。

2018年、年明け。

とにかく無事に、新年を迎えられたことに感謝です。

 

2018年に向けて。

「暮らし」というものを、丁寧に、深く、実践してみたいと思っています。

 

どういうことかっていうと。

「暮らし」は「暗し」と聞いたことがあります。

日が暮れるという表現から、語源は同じだろうなと思います。

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だから「暮らし」というものは、明るいものじゃないんだろうと。

わかりやすいのは、「ハレとケ」という表現かなと思っていて、

なんの変哲もない、普段の日常を「ケ」の日と呼びます。

一方で、行事やお祭りのある日を「ハレ」の日と呼びます。

 

当たり前といえば当たり前なのですが、

世間では「ハレ」のものしか注目されません。

ニュースになるのは、何かの行事ごとばかり。

話のタネになるのも、非日常的なできごと。

意味とはちょっとずれるけれど、

社会に出て求められるもの、注目されるものも、業績や結果がほとんど。

その過程でどれだけ努力しても、あまり目に付きません。

特に、競争社会のなかでは。

結果が「ハレ」、過程が「ケ」のように、僕は連想してます。

 

けれど、実際に世の中は

膨大な「ケ」と一部の「ハレ」によって構成されているように思います。

つまり、普段と変わらない、たくさんの「暮らし」と、ごくたまに起こる「事件」。

 

しかし「事件」は、なんの前触れもなく起きるものではありません。

それまでの日々の「暮らし」、それがすべて集積されて「事件」となります。

何かが起こる原因が、「暮らし」の中に眠っているのです。

 

「歴史は起こったことの集積だ」と聞きました。

すべて起きたことの羅列であり、歴史には起きたことを書き留めていきます。

しかし、これらにはすべて理由があって、

その理由がどこにあるかといえば、特に注目もされない日常のなかです。

 

いま起きている社会問題のなかで、

国だけが悪い、行政だけが悪いなんてものは一つもないのではと思っていて、

僕らが電気をたくさん使うから、原発はまた稼働するし、

僕らがゴミをたくさん出すから、地球温暖化は進むし、

僕らがコンビニで弁当を買うから、食糧廃棄はなくならない。

もちろん、僕らがすべての要因ではなくて、あくまで一因なのだけれど、

その一因であることがとっても重要だ。

 

だからこそ、僕は、

「おかしい」と思う社会の仕組みを、自分が支えてしまうことのないように

「暮らし」の所作、そのひとつひとつを改めて見つめ直し、

ゆっくり自分の納得できるものにしていきながら、

丁寧に紡いでいきたいなと思う、元旦の昼下がりです。

「おかしい」と思いながらも、すぐには変えられないのが「暮らし」だと思うから。

 

 

「暮らし」は「暗し」と書きました。

先に書いたように、

「暮らし」とは、端から見て華々しいものではないように思えます。

だからこそ、日記やらダイエットやら、

日常のうちに、何かを意識して継続することは難しいものです。

7つの習慣』という、自己啓発系の有名な本があります。

内容も好きだったけれど、内容以上に感じたのは、

「やっぱり、継続することなんだな」ということ。

自分自身を変えるのも、日々実践することでしか成し得ないのだ、と。

それを言い換えて、「習慣」という言葉を使っているのだなぁ、と。

ふとした瞬間に、流されてしまう「暮らしの力」。

負けることも多いですが、ゆっくり向き合っていきたいです。

 

また、「暗し」というのは、一面的な見方でしかないとも思っていて、

ひとつひとつ、丁寧に向き合っていくことで、

端から見れば、なんの刺激もない日常のなかに、

競争のなかでは見出せない、鮮やかで充溢したものを発見できるのでは、

と妄想しています。

暗々とした「暮らし」ではなく、生き生きと輝く「暮らし」を。

 

 

そんな感じで、2018年を踏み出そうと思います。

いままで、たくさん行動し続けてきましたが、所詮は学生のまま。

初めて、学生という身分がなくなり、

自分で暮らしをつくっていくことに、

不安と期待がせめぎ合い、混ざり合う状態ですが、

自分らしく、生きていきたいです。

 

1月は、後回しにし続けた卒論。

2月・3月は、最後の春休みに、やりたいことを詰め込んで。

4月からは、鳥取県智頭町に移住し、林業に従事します。

 

長くなりましたが、

今年も、みなさん、よろしくお願いいたします。

 

つばさ

結局、助けてくれるのは。

 

どうしようもなく、ふわふわする日々。

 

ふわふわってのは、

浮遊感で、

地に足がついていない感覚で、

自分という存在が現実から浮いている感覚。

 

現実味がない。

現実味がないと、感情がない。

感情がないと、関係がない。

関係がないと、感情がない。

そんな循環の環にあって。

 

感情に溢れ、さらなる関係を求めていたとき。

関係に溢れ、さらなる感情を求めていたとき。

そんな循環の環にいたときは、

一体、僕はどうやって動いていたのかなぁと思う。

 

tsubasakato.hatenablog.com

 

見返してみれば、繋がりたいと思っていたけれど、

いまはそんな繋がりも面倒で、

楽しさも寂しさも、自分から持とうと思えなくて。

 

一時では求め、一時では遠ざける。

そんな矛盾が、ひたすらに嫌になる。

 

誰かと会えば、少しずつ変わるんだろうけれど、

一度そうなってしまったら、

誰かと会おうとも思えなくなってしまうんだなぁ。

 

そんな、どうしようもない日々。

 

 

 

 

 

ブログを書こうと思えたのは、また、憧れに出逢えたから。

こんな風に、また人と話したいなって。

 

矛盾と、葛藤と、すれ違いと、優しさと、傷つきと、勇気と。

そんな人と人の感情が描かれる物語が好きなのだけれど、

それは、「あぁ、やっぱりいいなぁ」って、

心から素直に思える出逢いがあるから。

 

 

有川浩さんの『レインツリーの国』

どうしようもなくなってる僕に、

少しだけ、どうにかしようって、思わせてくれる。

いまの僕に、灯りをくれる物語でした。

 

 

就職も決まって、社会人になる直前で、

もっと強くならなきゃと思っていて、

こんなことを書いていいのかなぁとも思うし、

少し前は、偉そうなことばかり書いてながら、

今度は、自分がうまくいかなくなっていて。

 

でも、いま、この自分が偽りのない自分で、

いまの世の中、「ちゃんとしなきゃ」ってことが多すぎて、

弱音なんて、簡単に言える世の中じゃなくて、

まあ、もちろん、責任を持って働いている身で、

簡単に弱音なんて言えるはずもないのだけれど、

でも、それが強すぎて、

一人ぼっちになっちゃう人もいるのかなぁって思うから、

いまの感情は、誰か、そんな人に届いてほしいな。

と、思って書き留めようかなって。

 

反省して、

今度は、落ち込みすぎてしまう前に、

どうにかできる自分でありたいなって思います。

 

さて、また、これから一歩一歩ずつ、

弱い自分に負けない自分に。

自分の選択に、自分の行動に、

責任を持てる、強い自分に。

 

つばさ

「当たり前じゃない」ことを、自覚する

09.11〜09.19

岡山県高梁市・吹屋。

「村・留学」に参加してきました。

 

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かつて、ベンガラ(酸化鉄)で栄えた町・吹屋。ベンガラ色の町並に、タイムスリップした感覚を覚える。

 

1年半前にも、京都・久多で参加してきたプログラム。

そのときも、人生で大切なことを学びました。

www.facebook.com

 

今回は、自分と同じ経験を、もっと他の人にも経験してほしいなって。

エゴ的お節介精神もありつつ、半分運営側として参加したのだけれど。

最終的には、僕が大きな事を、学ばせてもらうことになりました...笑。

 

それは、

「向き合ってくれるひとは、有り難い」

ということ。

 

 

 

「違い」を真正面から考える

8泊9日の集団生活。

村・留学には、たくさんのプログラムがあるけれど、

僕にとって一番学びになるのは、みんなと暮らして感じること。

 

数日間ならともかく、これだけ長い間いたら、思うことがたくさんあって。

例えば、

あの人は片付け手伝ってくれないとか。

時間通りに集まらないとか。

いつも、スマホいじってるとか。

注意してくれるけど、言い方がきついとか。

 

みんながみんな、違うからこそ、

価値観とか、基準とか、感覚とか、言い方とか、捉え方とか。

すべてがバラバラで、必ずそこに食い違いがある。

食い違いがあると、それは苛立ちや悩みに変わって、

知らない人同士でずっといることや、身体的な疲れも相まって、

ほんのちょっとしたことが許せなくなる。

許せなくなったら、そんな小さなことも許せない自分の小ささにも嫌になって、

そんなことを考えてたら、みんなとうまく接することができなくなる。

 

本当は、どんな小さいことでも、すぐに言えればいいんだけど、

それはとっても大変なことで、勇気のいることで、怖いなぁって思ってしまう。

みんなのこと、信頼してれば、言えるんだろうけれど、

簡単に信頼関係なんて築けない。

 

じゃあ、そんなことで悩むくらいなら、集団生活なんてしなきゃいい。

と思うかもしれないけれど、

そこで一人で抱え込んでしまったら、先へは進まない。

こんな悩みなど、学校、部活、サークル、会社、生きていればどこにでもあって、

なぜなら、みんな違うからで、

そのなかで、僕は安らぎと居場所を求めてる。

違うけれど、認めてくれる人を。信頼し合える仲間を。

あるいは、学びとは、違いから生まれる「発見」でもあって、

たくさん学ぶには、それだけ多く、深く、違いを知らないといけない。

ひとりで考え、ひとりで学ぶ範囲は、限界があるということ。

それを捨ててしまうこと、悩まずにひとりで生きていこうと見切りをつける。

それも覚悟と決断のいることだ。

 

村・留学。

自然とか、食とか、命とか、地域とか、文化とか、持続可能とか。

いろんな要素があるなかで、僕が悩むのは「人」だ。

こんなことをずっと考え続けてる。

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滞在したゲストハウス・ELEVEN VILLAGE吹屋。居心地の良い空間が広がる。

 

コンプレックスを乗り越える。とは。

考え続けていると、思い至ることがある。

それは、まずは自分が変わること。

  

「気づいてよ」「助けてよ」「誰かやってよ」

 

周りが変わってくれることを、期待する言葉だ。

自分が変わる勇気から、逃げることだ。

 

いくら、誰かに苛立っても、自分が嫌になっても、

抱え込んでいれば、何も変わらない。

自分を自分で好きになるには、自分が動くしかないんだと。

そう思い至る。

 

 

そこで大事なのは、何も壊さないこと。

自分と違う誰かを、否定しちゃいけない。

器の小さな自分を、嫌っちゃいけない。

相手の性格を、自分のコンプレックスを、壊す必要はない。

 

いまの自分、いまの相手。

それをすべて受け入れて、そういうものだと認め、

そのうえで、いまから一歩ずつ、進んで行こうとする。その意思が勇気だ。

変わるとは、壊して生まれ変わるのでなく、受け入れてから進むことだ。

 

当たり前じゃないことを、自覚する

今回の集団生活は、大変だった。

前回も大変だったけれど、

一度経験していたからこそ、思ったことはすぐに伝えようと心がけた。

 

 

だけど、それがうまくいかなかった。

心のなかで、どこか、言葉にすれば伝わるだろうと思っていたようで、

思ったことをそのまま言っていた。

けれど、実際はそんなことはなくて、

「言ってることは正しいけど...。」と、複数人から指摘された。

言い方がきつくて、嫌な思いをさせてしまった。

 

本当に、そんなつもりはなくて、

自分のなかでは、みんなと本音で話したかっただけなのだけど、

自分の言葉を、相手がどう受け止めるかも想像しきれずに、

伝えようとしたことは、伝わってなかった。

 

それがすごく情けなくて、「何やってるんだろ...」と思って、

みんなに申し訳ないなぁって落ち込んだけれど、

でも、「ばっさー(僕のこと)が頑張ってるのはわかってる」

「あとは言い方だけだから」と言ってくれて、

その言葉が、すごく支えになって、

みんな、僕のことを認めてくれたうえで、向き合ってくれてるんだって感じて、

そういう人の存在って、「当たり前じゃないなぁ」って気付いたとき、

「ありがとう」って感謝の気持ちが、自然と生まれました。

 

「当たり前」の反対は、「有り難う」。

 

これまでたくさん聞いてきた言葉だけれど、

本気で自分に向き合ってくれる人の存在を実感したとき、

この言葉が、心にしっかりと刻まれました。

 

今回一緒にいてくれた、主催者・留学生・地域の方々。

みんながいたから、僕はまた、大事なことに気付けました。

「ありがとう」という感謝と、

今回できなかった分、「強くなります」という誓いと、

こんな僕でも、「これからもよろしく」という願いを、

関わってくれたすべての人に送ります。

 

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 お世話になった、ゲストハウスの寿一さん・美菜さん・そらくん。一番右の人は違います。

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いつも、みんなで「いただきます」。しあわせな時間。

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出会えてよかった仲間たち。また会おうね。 

 

村・留学。

素晴らしいプログラムだと、自信を持って勧めます。

何か感じた人がいれば、ぜひ。

mura-ryugaku.com

 

 

つばさ