つばさの軌跡

京大卒。新卒の2018年春、鳥取県智頭町に移住し、社員2名の林業会社に就職。林業家を志す。働くこと、食べること、寝ること、話すこと、住むこと...。自分の人生の時間を分けることなく、暮らしの所作、その一つ一つに丁寧に向き合って、精一杯生き抜くことが目標。

「自然」とはなにか ー「森」の考察 その3

これまで「森」の話をしてきたが、 「森」の分類する、また別の見方を。 「自然」というものについて考えてみたいと思う。 これも「森」と同じように、当たり前のように使われながら、 定義が曖昧だったりする。言葉とは、そういうものだけれど。 僕が林業を…

スギ林・ヒノキ林は、山地にある「畑」

前回、スギ・ヒノキの人工林を「森」と 表現することへの違和感を描いてみた。 tsubasakato.hatenablog.com そう考える背景には、 僕は「人工林はあくまで畑に過ぎない」と感じるからである。 日本は山の多い国だ。 国土の約7割が「森林」だと言う。 そこで…

「森」という曖昧なもの

「言葉」というものは全般がそうだけれど、 日本語における「森」という言葉は意味が広い。 屋久島の自然だって「森」だし、 智頭の人工林だって「森」と呼ぶ。 一説では 「森」は自然に生えたもの(木々が「盛る」様子から)、 「林」は人の手で植えたもの…

自分の行動を、ボケとツッコミでわけてみる

今年の春から、通信制の大学に入った。 これはボケてるなぁと思う。 本屋を始めて、自分の本棚を人に見せるようになった。 これもボケてるなぁと思う。 一方で、本棚を見せながら、人の反応をうかがう。 これはツッコミだなぁと思う。 あるいは、ブログを書…

暮らしを「エンタメ」に、変えていく。

世は、共感の時代。 モノに溢れ、サービスが充実し、 お金によって価格づけされた対価を支払えば、 生活には支障がない。 そのなかで見直されるのが、 「心」の領域。 お金を払っても、 手に得難いものが、 相対的に価値が上がっていくのは、 確かにそうだろ…

誰かを助けるために、まず自分の足で立とう。ずっとじゃなくていいから。

あまり感情を表に出すタイプではないけれど、 「人」というのが、結構好きで、 特に、いままで僕と出会い、 関わった友人、先輩、後輩、みんな、 少しでも明るく生きていてほしいなと思うし、 逆に、ネガティブになったり、 悪いことが続いて、 どうしようも…

2019年の抱負に代えて。

遅ればせながら、 明けましておめでとうございます。 2019年。 どんな一年にしたいかなぁと、 2018年を振り返りながら、 考えていました。 ちなみに、 去年は「暮らしに向き合う」でした。 tsubasakato.hatenablog.com 2018年 「晴れ」舞台を憧れ続けるので…

「効率化」を、ちゃんと考えるということ

鳥取県智頭町へ、越してきてから早9ヶ月ほど。 なんとか食らいついてゆく日々であります。 のんびりと田舎暮らしを満喫しているかと言われれば、決してそうでもなくて、 特に僕は「暮らしづくり」を大きなテーマに、過ごしていきたいと思って、ここに住み始…

初・出店! 移動式本屋、始めました。

岡山県高梁市・吹屋。 風情の良い町で、開催されたマルシェに、 本屋として出店してきました。嬉しいな。 ベンガラで栄えた吹屋。素敵な町並み。タイムスリップしたみたい。 主催は、吹屋で素敵なゲストハウスを営む、素敵な田川ご夫妻。 www.elevenvillage.…

「弱さへの共感」が生む「被害者」意識 / 新たな「原体験」を積み重ねること

熱量のある人に、憧れていた。 いきいきと、人生を楽しんでいるように見えた。 いつも明るい人が、羨ましかった。 その人がいるだけで、雰囲気が明るくなる。 なんて素敵な影響力を持った人だろうかと感じた。 僕もそんな人になりたいと願ったけれど、 なか…

「田んぼのような人工林」

「人工林は悪だ」という考えが、日本では強い気がする。 春には花粉を大量に撒き散らし、 大雨が降れば、土砂崩れや川の氾濫を引き起こす。 木の実を落とさないので、動物の住めない森となり、 棲家を追いやられたクマやイノシシが里山に出没する。 冬にもほ…

林業には「ロマン」がある

林業は、サイクルが長い。 苗を植えてから、十分に木が育つまで、 少なくとも50年はかかる。 ましてや、 それまで何もしなくていいわけじゃない。 植林時、密に植えた小さな苗は、 10年ほど、下草刈りを春から夏にかけて繰り返し、 5年や10年ごとに、間伐(…

いま、この時代に、林業をするということ。

林業。 それは、どんな仕事にもない特異な性質を持つ。 仕事のサイクルが、ものすごく長いことだ。 木は植えてから、50年で伐る時期を迎える。 それまで何をするかというと、 下草を刈ったり、枝打ちをしたり、間伐をする。 それを数十年経て、ようやく木の…

ヒエラルキーで苦しんだ僕は、ヒエラルキーの上を目指すのでなく、その外に脱出したい。

中学校、あるいは高校時代。 いつも、なんだか生きづらかった気がする。 特段、いじめられていたわけでもないし、 友だちと遊びに行くこともあった。 だから、直接的に苦しかったわけでもない。 だけど、いつも何かが、自分を縛っていた。 あるいは、何かで…

本屋の構想ーーー「儲かるからやること」は、誰かがすでにやっているんだ。でも、それだけじゃつまらないじゃん。

本屋を開く。 最近、時間を割いていること。 だけど、実際は「本屋」からイメージできるほど、 大きなものじゃなくて、 借家の縁側を少し拡張して、 四畳半のスペースに本を並べて、 「本屋」と名付けようと思ってる。 組織に属して、林業に携わるから、 本…

「消費」の楽しみ、「生産」の愉しみ

鳥取県智頭町へ引っ越してきて3ヶ月ほど。 いろいろつくってみた。 味噌、ハーブ畑、梅シロップ、 洗濯物干し場、生ゴミコンポスト、 木のしゃもじ、木の栞、木のブックスタンド、木の小鉢。 いまは畑にいろいろ植え付け中。 洗濯物干し場。伐ってきた竹と紐…

行動に「勇気」は必要ない

今回のテーマは、ここから引用しました。 他にも「なるほど」と感じる視点がたくさん。 興味ある方はぜひ。 筆者・キングコング西野さんはこう述べる。 行動することに、勇気は必要ない。 子供の頃に一人で乗れなかった電車に、今、あなたが一人で乗れるよう…

「圧倒的成長」って言われると、焦るんです。

以前、「成長」について書きました。 林業を始めて、感じたこと。 今回はその続き。 tsubasakato.hatenablog.com 前回は「身の丈にあった成長」を心がけないと、 林業では事故につながるよ。みたいなことを書きました。 でも、それだけじゃない気もしていま…

身の丈にあった成長

仕事が始まりました。 ただ「林業」と言っても、 いろんな工程があります。 「木を伐って、運ぶ」 言ってしまえば、それだけなのですが、 それには、 ・山主との交渉(木は、他人の資産) ・作業道づくり(運搬用の機械が山の中に入れないと運べない) ・伐…

The Life Book第2弾:『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』

【「働く」を考える、すべての人へ】 https://tsubasakato.amebaownd.com/posts/3948958 僕の仕事する上での指針が、ここにあります。 僕が暮らす上での指針が、ここにあります。 鳥取県智頭町。僕がいま、暮らす町。 そこにあるお店 タルマーリー の物語で…

やりたいことが見つからない人へ。

・就活に違和感を覚える人へ ・都会での生活に疲れた人へ ・やりたいことが見つからない人へ ・生きている実感が湧かない人へ 僭越ながら、僕の就活記を。(長い) 僕の人生が、一番変わった瞬間です。 tsubasakato.amebaownd.com 久しく、筆が走る日。 --- …

「The Life Book」第一弾:『都市と地方をかきまぜる』

人生を創る、本との出逢い「The Life Book」 第一弾を更新しました。 tsubasakato.amebaownd.com 「最高の一冊を選ぶなら、どの本か」と聞かれたら、 僕はこの本を選びます。 僕の思考の源泉は、ここから来ていて、 僕が林業の道を志したのは、この著者に出…

本は視点、本棚は世界観 【新規事業、始めます】

新規事業ってほどの規模じゃないかもだけど。新たな挑戦を。 「シェア本棚」事業、始めます。 そのために、ついに個人サイトを立ち上げました。 https://tsubasakato.amebaownd.com/ シェア本棚に懸ける想い 「本は視点、本棚は世界観」 同じ本を読んでも、…

職業の選択肢ではなく、生き方の選択肢を増やす

「勉強を頑張るのは、将来の選択肢が増えるから」 というのは、事実ではあるのだけれど、 その「将来」の方向性は何となく似ている気がする。 大学3年の夏、僕も就職活動を始めたときは、 就活サイトでベンチャーや中小企業、大企業の インターンシップや会…

変革を起こす「越境者」であれ

10日間、京都で山籠りしていたので、 2週間も前になってしまったけれど。 地元・長野市の地域づくりのイベントに、 スピーカーとして話をさせてもらいました。 人前では緊張してどもってしまうので苦手で、 準備を先延ばしにしてしまうことが多いけれど、 今…

青森県六ヶ所村へ

青森県六ヶ所村へ行ってきました。 普通の人はどれぐらい知っているんだろう。 僕は恥ずかしながら、東北へ来るまで 六ヶ所村に何があるのか詳しく答えられませんでした。 今回行ったのも、車で1時間ぐらいぐるぐる回っただけ。 前後に時間がなくて、そうな…

どうすれば「持続可能」になるか。

前回に続き、僕のいま考えること第2弾。卒業論文から引っ張ってきました。 前回の記事は以下をご覧ください。 tsubasakato.hatenablog.com ○二つの世界に生きる それから世の中には二つの世界があることに気付いた。 一つはモノとお金がぐるぐる回る、人間が…

私は生きていけない 〜初の船上日誌〜

2016年4月某日、山形県鼠ヶ関沖の船に私はいた。 長野県で生まれ育った私は漁船など乗ったことはなく、人生初の経験であった。 深夜出航した船は波に揺れながら暗闇を進む。 海の上にいる。 その感覚に深い感慨を覚えていたが、 30分と経たずにそんなものは…

「暮らし」に向き合う一年を。

2018年、年明け。 とにかく無事に、新年を迎えられたことに感謝です。 2018年に向けて。 「暮らし」というものを、丁寧に、深く、実践してみたいと思っています。 どういうことかっていうと。 「暮らし」は「暗し」と聞いたことがあります。 日が暮れるとい…

結局、助けてくれるのは。

どうしようもなく、ふわふわする日々。 ふわふわってのは、 浮遊感で、 地に足がついていない感覚で、 自分という存在が現実から浮いている感覚。 現実味がない。 現実味がないと、感情がない。 感情がないと、関係がない。 関係がないと、感情がない。 そん…