つばさの軌跡

京大卒。新卒の2018年春、鳥取県智頭町に移住し、社員2名の林業会社に就職。林業家を志す。働くこと、食べること、寝ること、話すこと、住むこと...。自分の人生の時間を分けることなく、暮らしの所作、その一つ一つに丁寧に向き合って、精一杯生き抜くことが目標。

林業

「自然」とはなにか ー「森」の考察 その3

これまで「森」の話をしてきたが、 「森」の分類する、また別の見方を。 「自然」というものについて考えてみたいと思う。 これも「森」と同じように、当たり前のように使われながら、 定義が曖昧だったりする。言葉とは、そういうものだけれど。 僕が林業を…

スギ林・ヒノキ林は、山地にある「畑」

前回、スギ・ヒノキの人工林を「森」と 表現することへの違和感を描いてみた。 tsubasakato.hatenablog.com そう考える背景には、 僕は「人工林はあくまで畑に過ぎない」と感じるからである。 日本は山の多い国だ。 国土の約7割が「森林」だと言う。 そこで…

「森」という曖昧なもの

「言葉」というものは全般がそうだけれど、 日本語における「森」という言葉は意味が広い。 屋久島の自然だって「森」だし、 智頭の人工林だって「森」と呼ぶ。 一説では 「森」は自然に生えたもの(木々が「盛る」様子から)、 「林」は人の手で植えたもの…

「田んぼのような人工林」

「人工林は悪だ」という考えが、日本では強い気がする。 春には花粉を大量に撒き散らし、 大雨が降れば、土砂崩れや川の氾濫を引き起こす。 木の実を落とさないので、動物の住めない森となり、 棲家を追いやられたクマやイノシシが里山に出没する。 冬にもほ…

林業には「ロマン」がある

林業は、サイクルが長い。 苗を植えてから、十分に木が育つまで、 少なくとも50年はかかる。 ましてや、 それまで何もしなくていいわけじゃない。 植林時、密に植えた小さな苗は、 10年ほど、下草刈りを春から夏にかけて繰り返し、 5年や10年ごとに、間伐(…

いま、この時代に、林業をするということ。

林業。 それは、どんな仕事にもない特異な性質を持つ。 仕事のサイクルが、ものすごく長いことだ。 木は植えてから、50年で伐る時期を迎える。 それまで何をするかというと、 下草を刈ったり、枝打ちをしたり、間伐をする。 それを数十年経て、ようやく木の…

身の丈にあった成長

仕事が始まりました。 ただ「林業」と言っても、 いろんな工程があります。 「木を伐って、運ぶ」 言ってしまえば、それだけなのですが、 それには、 ・山主との交渉(木は、他人の資産) ・作業道づくり(運搬用の機械が山の中に入れないと運べない) ・伐…