つばさの軌跡

京大卒。新卒の2018年春、鳥取県智頭町に移住し、社員2名の林業会社に就職。林業家を志す。働くこと、食べること、寝ること、話すこと、住むこと...。自分の人生の時間を分けることなく、暮らしの所作、その一つ一つに丁寧に向き合って、精一杯生き抜くことが目標。

京大生が一次産業に携わる意義「課題があるところに、最大の学びがある」

こんにちは、つばさです。

 

まだまだ先行きが晴れない今日この頃。

自分の想いを見つめ直します。

 

一次産業は、馬鹿ではできない

「京大に入ったのに、何で一次産業に?」とよく言われます。

ある製材会社を見に行ったとき、「京大です」と伝えたら、冗談交じりに「帰ってくれ」と言われました。

会話の流れで軽く言われた言葉でしたが、なんだか心にモヤモヤが残ってます。

 

この質問の根底には、「一次産業=偏差値の低い人がやるもの」という感覚と、

一次産業を下だと考える認識があるので嫌なのですが、

これはしかたないのかなと思います。

実際そういう傾向にあるし、僕もそう思っていたので。

 

ただ、僕は去年1年間、生産現場に足を運びました。

東北のNPOで、農家・漁師の方々の取材をしていたのです。

そこで話を聞く中で、その世界の一端に触れました。

そして一次産業の世界、その豊かさと深さを感じ、敬意が湧きました。

都市では、基本的に合理で仕事が完結します。

しかし生産者は、気候・土壌・生態系。

そんな生産リスクを背負って、生き物を育てています。

予測不能の自然を相手に、生き物を育てるのは、頭が悪ければできません。

 

これは、偏差値の高さではなく、生きる知恵の話です。

そう感じ、一次産業を下に見ることはなくなりました。 

それどころか、もっと自分でもこの世界を知りたいと思うようになりました。

 

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何より農作業って楽しいんです (^ ^)

 

最大の学びは、現場にある

当たり前のことのようですが、

最近この言葉を聞いて、ハッとしました。

 

いくら都会のビルのなかで、

人口が減ってるだの、高齢者が増えてるだの、

鹿が畑を荒らすだの、空き家が増えてるだの、

そんなことを数値化された世界で話し、

どうすれば解決できるか話し合っても、ほとんどが想像です。

実感として、自分のなかで考えることはできません。

 

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17時間の船酔いがどれだけつらいか、乗ってみないとわからなかったもんね。

 

一番、その課題の本質がわかるのは、

実際に課題の現場に行き、課題と向き合い、解決しようとしたときです。

その意味で、課題のある現場にこそ、最大の学びがあります。

 

一次産業に限らず、なにか課題を解決したい。

そう思う人は、やはり問題の起きているど真ん中、

現場に行き、自分が課題の当事者になることで、

学べることは一番多くなるんじゃないかと思います。

 

そういうわけで、

農業・林業の課題を解決したいと考える僕は、

コンサル的な会社から課題を考えるのではなく、

農業・林業の現場に行ってみたいと思うのです。

 

 

2ヶ月前に書いたことも、案外思い出さなくなっているもので、

こういう考えで動いていたなぁと思い出す感覚です。

定期的に考えを読み返し、考え直すのは必要だなぁと思いました。

 

つばさ

tsubasakato.blog@gmail.com