つばさの軌跡

京大卒。新卒の2018年春、鳥取県智頭町に移住し、社員2名の林業会社に就職。林業家を志す。働くこと、食べること、寝ること、話すこと、住むこと...。自分の人生の時間を分けることなく、暮らしの所作、その一つ一つに丁寧に向き合って、精一杯生き抜くことが目標。

「できること」をひとつずつ増やす

僕はまだ、何もできないのだと思う。

いや、正確には、何も提供できないのだと思う。

 

バイトやインターンで、

「あなたは何ができますか」という質問に、

答えられるひとはどれぐらいいるだろうか。

 

僕は、胸を張って答えられた試しがない。

 

なぜなら、この質問の意図は、

「対価をもらえるだけの価値のあるものを生み出せますか」

と同義だから。

 

僕は、文章、カメラ、イラレ、動画、イベント企画。

それなりにやったことはあるけれど、

それを報酬をもらうものとしてやったことはない。

 

その意味で、僕はまだ「何ができる」とは答えられない。

 

 

「役に立ちたい」だけでは、役に立たない

 

素晴らしいと思える会社に出会って、

「何か手伝えることありますか」と聞いたはいいけれど、

「何ができる?」と聞かれて、困ったことは何度もあった。

結果、何もできずに、やりきれない想いだけが残った。

 

結局、わかった。

 

「役に立ちたい」だけでは、役に立たないのだと。

 

もちろん、全く役に立たないわけはないのだけれど、

役に立てるところは限られる。

 

特に、共感できる理念を持つところは、

小さな規模でギリギリでやっているところも多く、

即戦力でないと、雇っている余裕はない。

 

そこには、やはり想いだけでは、どうにもならないところがあるのだと思う。

 

「できる」ことをひとつ、自分の基礎に据えることは、

チームとして「これをしてくれる」という、最低限度の信頼に繋がる。

そう思う。

 

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 基礎からひとつずつ、積み上げよう

 

まずは「生産手段」を持つこと

 

マルクス曰く、

「労働力が商品になる」には2つの条件がある。

 

①労働者が自由であること。

②労働者が「生産手段」を持たないこと。

 

この2つが揃うと、

人々は、自身の労働力を、企業に売るしかない。

 

だからこそ、企業に縛られずに生きていきたいのならば、

自身で「生産手段」を持つ必要がある。

逆に言えば、「生産手段」を持てば、

企業に属さなくとも生きていける。

 

もちろん、ここでは、

企業で働かないことを推奨しているわけではない。

 

当たり前のようだけれど、

学生の立場で、将来のことを考えていると、

自分がどんな生産手段を持ち、どんな価値を社会に提供する人になるか。

それを忘れてしまいそうになるのである。

 

企業に入るも良い。入らないも良い。

けれど、自分が5年後、10年後。

何ができるようになっているか。

それによって、将来、やりたいことができたときに、できるかどうか。

それが大きく変わると思う。

 

 

まずは3年。まずは5年。

「できること」をひとつずつ増やして、

価値を生み出せるひとになれるよう、精進。

 

つばさ