つばさの軌跡

京大卒。新卒の2018年春、鳥取県智頭町に移住し、社員2名の林業会社に就職。林業家を志す。働くこと、食べること、寝ること、話すこと、住むこと...。自分の人生の時間を分けることなく、暮らしの所作、その一つ一つに丁寧に向き合って、精一杯生き抜くことが目標。

「当たり前じゃない」ことを、自覚する

09.11〜09.19

岡山県高梁市・吹屋。

「村・留学」に参加してきました。

 

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かつて、ベンガラ(酸化鉄)で栄えた町・吹屋。ベンガラ色の町並に、タイムスリップした感覚を覚える。

 

1年半前にも、京都・久多で参加してきたプログラム。

そのときも、人生で大切なことを学びました。

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今回は、自分と同じ経験を、もっと他の人にも経験してほしいなって。

エゴ的お節介精神もありつつ、半分運営側として参加したのだけれど。

最終的には、僕が大きな事を、学ばせてもらうことになりました...笑。

 

それは、

「向き合ってくれるひとは、有り難い」

ということ。

 

 

 

「違い」を真正面から考える

8泊9日の集団生活。

村・留学には、たくさんのプログラムがあるけれど、

僕にとって一番学びになるのは、みんなと暮らして感じること。

 

数日間ならともかく、これだけ長い間いたら、思うことがたくさんあって。

例えば、

あの人は片付け手伝ってくれないとか。

時間通りに集まらないとか。

いつも、スマホいじってるとか。

注意してくれるけど、言い方がきついとか。

 

みんながみんな、違うからこそ、

価値観とか、基準とか、感覚とか、言い方とか、捉え方とか。

すべてがバラバラで、必ずそこに食い違いがある。

食い違いがあると、それは苛立ちや悩みに変わって、

知らない人同士でずっといることや、身体的な疲れも相まって、

ほんのちょっとしたことが許せなくなる。

許せなくなったら、そんな小さなことも許せない自分の小ささにも嫌になって、

そんなことを考えてたら、みんなとうまく接することができなくなる。

 

本当は、どんな小さいことでも、すぐに言えればいいんだけど、

それはとっても大変なことで、勇気のいることで、怖いなぁって思ってしまう。

みんなのこと、信頼してれば、言えるんだろうけれど、

簡単に信頼関係なんて築けない。

 

じゃあ、そんなことで悩むくらいなら、集団生活なんてしなきゃいい。

と思うかもしれないけれど、

そこで一人で抱え込んでしまったら、先へは進まない。

こんな悩みなど、学校、部活、サークル、会社、生きていればどこにでもあって、

なぜなら、みんな違うからで、

そのなかで、僕は安らぎと居場所を求めてる。

違うけれど、認めてくれる人を。信頼し合える仲間を。

あるいは、学びとは、違いから生まれる「発見」でもあって、

たくさん学ぶには、それだけ多く、深く、違いを知らないといけない。

ひとりで考え、ひとりで学ぶ範囲は、限界があるということ。

それを捨ててしまうこと、悩まずにひとりで生きていこうと見切りをつける。

それも覚悟と決断のいることだ。

 

村・留学。

自然とか、食とか、命とか、地域とか、文化とか、持続可能とか。

いろんな要素があるなかで、僕が悩むのは「人」だ。

こんなことをずっと考え続けてる。

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滞在したゲストハウス・ELEVEN VILLAGE吹屋。居心地の良い空間が広がる。

 

コンプレックスを乗り越える。とは。

考え続けていると、思い至ることがある。

それは、まずは自分が変わること。

  

「気づいてよ」「助けてよ」「誰かやってよ」

 

周りが変わってくれることを、期待する言葉だ。

自分が変わる勇気から、逃げることだ。

 

いくら、誰かに苛立っても、自分が嫌になっても、

抱え込んでいれば、何も変わらない。

自分を自分で好きになるには、自分が動くしかないんだと。

そう思い至る。

 

 

そこで大事なのは、何も壊さないこと。

自分と違う誰かを、否定しちゃいけない。

器の小さな自分を、嫌っちゃいけない。

相手の性格を、自分のコンプレックスを、壊す必要はない。

 

いまの自分、いまの相手。

それをすべて受け入れて、そういうものだと認め、

そのうえで、いまから一歩ずつ、進んで行こうとする。その意思が勇気だ。

変わるとは、壊して生まれ変わるのでなく、受け入れてから進むことだ。

 

当たり前じゃないことを、自覚する

今回の集団生活は、大変だった。

前回も大変だったけれど、

一度経験していたからこそ、思ったことはすぐに伝えようと心がけた。

 

 

だけど、それがうまくいかなかった。

心のなかで、どこか、言葉にすれば伝わるだろうと思っていたようで、

思ったことをそのまま言っていた。

けれど、実際はそんなことはなくて、

「言ってることは正しいけど...。」と、複数人から指摘された。

言い方がきつくて、嫌な思いをさせてしまった。

 

本当に、そんなつもりはなくて、

自分のなかでは、みんなと本音で話したかっただけなのだけど、

自分の言葉を、相手がどう受け止めるかも想像しきれずに、

伝えようとしたことは、伝わってなかった。

 

それがすごく情けなくて、「何やってるんだろ...」と思って、

みんなに申し訳ないなぁって落ち込んだけれど、

でも、「ばっさー(僕のこと)が頑張ってるのはわかってる」

「あとは言い方だけだから」と言ってくれて、

その言葉が、すごく支えになって、

みんな、僕のことを認めてくれたうえで、向き合ってくれてるんだって感じて、

そういう人の存在って、「当たり前じゃないなぁ」って気付いたとき、

「ありがとう」って感謝の気持ちが、自然と生まれました。

 

「当たり前」の反対は、「有り難う」。

 

これまでたくさん聞いてきた言葉だけれど、

本気で自分に向き合ってくれる人の存在を実感したとき、

この言葉が、心にしっかりと刻まれました。

 

今回一緒にいてくれた、主催者・留学生・地域の方々。

みんながいたから、僕はまた、大事なことに気付けました。

「ありがとう」という感謝と、

今回できなかった分、「強くなります」という誓いと、

こんな僕でも、「これからもよろしく」という願いを、

関わってくれたすべての人に送ります。

 

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 お世話になった、ゲストハウスの寿一さん・美菜さん・そらくん。一番右の人は違います。

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いつも、みんなで「いただきます」。しあわせな時間。

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出会えてよかった仲間たち。また会おうね。 

 

村・留学。

素晴らしいプログラムだと、自信を持って勧めます。

何か感じた人がいれば、ぜひ。

mura-ryugaku.com

 

 

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