つばさの軌跡

京大卒。新卒の2018年春、鳥取県智頭町に移住し、社員2名の林業会社に就職。林業家を志す。働くこと、食べること、寝ること、話すこと、住むこと...。自分の人生の時間を分けることなく、暮らしの所作、その一つ一つに丁寧に向き合って、精一杯生き抜くことが目標。

行動に「勇気」は必要ない

今回のテーマは、ここから引用しました。

他にも「なるほど」と感じる視点がたくさん。

興味ある方はぜひ。

 

 

筆者・キングコング西野さんはこう述べる。

行動することに、勇気は必要ない。

子供の頃に一人で乗れなかった電車に、今、あなたが一人で乗れるようになったのは、あなたが勇気を手に入れたからではない。

「電車の乗り方」という情報を手に入れたからだ。

・・・

一歩踏み出すために必要なのは、ポジティブシンキングではなく、ロジカルシンキングだ。

説明できてしまう事柄に「勇気」は必要ない。

西野亮廣著『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』 幻冬舎 p.300-301 

 

自分の話をすると。

「よく(林業をすると)決断したね」と言われるけれど、

自分のなかでは、自分の経験から、論理的に考えただけのように感じている。

「こういう経験をして、こう考えたら、林業にいき着くでしょ」みたいに。

 

大学生のとき、学生団体で活動して「仲間とつくること」の喜びを知った。

仲間がいなければ、僕はどこか物足りないのだと気付いた。

だから、自分をしあわせにする「人」を大切にしようと思った。

 

そう思うと、都会ではなく、地方に目が向いた。

「コミュニティ」を考えるならば、地方の方が良いと思ったから。

そこで、地方で活動する人に会うなかで、「東北食べる通信」に出会った。

その代表の思いに共感し、休学をして、1年間東北の農漁村を回った。

 

最初は「コミュニティ」のあり方に興味があったけれど、

畑や海を回り、農家・漁師の方に話を聞くなかで、

「食」や「自然」への関心が強くなった。

目覚ましい経済成長の裏で、衰退していく一次産業と自然環境を身体で感じたからだ。

 

「コミュニティ」も大事だけれど、その前に、持続可能な環境にならなければ、

これからもっと厳しい世の中になるのではないか。

そして、持続不可能な社会の根本には、

とどまることのない消費社会があるのではないか。

1年間で、そう学んだ。

 

それから『森は海の恋人』という本を読んで、

「森」というものが自然の循環の重要なファクターの一つだと感じ、

目が向くようになった。

 

復学後、大学4回生。

そのときも最初は「林業をする」と覚悟を決めていたわけではなく、

チェーンソーを持ったこともなければ、木を伐ったこともない。

そもそも何を指して「林業」というかもわからない。

自分のなかで、たくさん迷いはあったけれど、

まず県の林業研修に参加し、林業についての講義を受け、

実習を通して初めてチェーンソーに触り、講習を受けて資格を取った。

 

それから、実際の現場を見に行こうと、見つけた機会に飛び込んで、

人に会って「林業に興味がある」と話し、

そこから紹介してもらったところにメールを送り、

足を運んで話を聞き、受け入れてくれるところで、研修をさせてもらう。

 

自分の体験を積み重ねて、本当に、自分は林業がしたいのか問い続け、

半年以上かかって、ようやく決断した。

 

 

もちろん、いつだって迷いと不安はあって、

メール送るのも、人に会いに行くのも、

少しばかりの勇気は必要だけれど、

小さな挑戦を積み重ねて、自分の体験を積み上げて、

大きな決断へとのぼっていった。

僕のなかでは、そんな感覚が残っている。

  

変わり続ける現代。

「就職」という大きめの決断をするのに、悩むのは当たり前。

でも、悩みがあるというのは、疑問があるということだ。

「こっちを選んでいいのだろうか」

「こっちの方がいいんじゃないだろうか」

ただ、そう感じたのであれば、

その疑問に対する答えを、自分で見つけに行こう。

疑問や、違和感、その感じ方こそが、あなたの個性なのだから。

それを周りに合わせ、なあなあにして、

自分なりの答えを持たずにいてしまうと、

「自分らしさ」が失われていく。それも気づかぬうちに。

そしていつの日か、何も言えない自分に気づくのではないだろうか。

 

f:id:tsubasakato:20180525190854j:plain

ひとつひとつ、階段をのぼろう。

 

挑戦するのに、勇気は要らない。

挑戦への階段を、自分でつくること。

そのために、自分の心を大事にすること。

それが大事かなと思いました。

 

つばさ