スギ林・ヒノキ林は、山地にある「畑」
前回、スギ・ヒノキの人工林を「森」と
表現することへの違和感を描いてみた。
そう考える背景には、
僕は「人工林はあくまで畑に過ぎない」と感じるからである。
日本は山の多い国だ。
国土の約7割が「森林」だと言う。
そこで限られた平地の中で、
田んぼや畑をつくり、農耕を営み、
まず生きるのに欠かせない食糧を生産してきた。
それでも足らずに、
段々畑や棚田を、昔の人はつくってきた。
だから、日本で森や林と言えば、
基本的には、山地にある。
その地形(平地か山地か)や、
スケールの違い(100㎡か10万㎡か)から、
農業と林業は、離れたもののように感じられるが、
「人間の生活に必要なものを、意図的に植え、育て、収穫する」
という意味においては、
野菜もスギの大木も、なんら変わりはない。
ただそれが、平地にあるか、山にあるか。
食を満たすか、住を満たすか。
それだけの違いである。
もちろん、林業の方が、
「広大な土地」を使っていたり、
山が「水の源、川の始まり」であったりするので、
周囲に与える影響が大きくなり、
地球環境や自然災害など、考慮すべきことが多くなる。
という違いはある。
ただ、ここで言いたいのは、
詰まるところ、農業も林業も、
「人間の都合で自然に手を加えたものだ」ということ。
それを、木が生えている場所すべてを
「森」という言葉で表現すると、
一人一人イメージが違った状態での議論が
続いてしまうのかなぁという感覚を持つのである。
きっと、僕自身、
「森」というものの自然性、
あるいはそこから想起される神聖なイメージを抱いているから、
「森」とまとめて表現することに、違和感を覚えるのだろうなぁと。
ここまで言葉にしてみて、感じます。
他の人はどんなイメージだろうか。
あるいは、林業の現場、スギ林・ヒノキ林を
毎日歩いているから、区別したいと思うのだろうか。
街中に住んでいたら、違和感など感じないのだろうか。
つばさ